～ テロワールを映し出す初夜のワイン ～

房に小さなブドウの粒がぎっしり詰まって垂れ下がり、房の先が跳ね上がっているところが羊のしっぽに似ていることから、Juhfark(ユファルク＝羊のしっぽ)と呼ばれています。ハンガリーで最も古いブドウ品種の一つと言われています。

■ ユファルクの効用

ユファルクは日本ではあまり知られていないブドウ品種ですが、並外れた力を持っていると言われています。
その昔、ショムロー地方のワインは、貧血、腎臓や肝臓の病、消化器疾患など、あらゆる病気を治癒すると考えられており、ワイン店と同じように薬局にも並んでいました。

ユファルクは、さらに謎に包まれたパワーを持っているとも言われていました。結婚したカップルが初夜にユファルクのワインを飲むと男の子を授かる可能性が高くなると思われていたことから「初夜のワイン」と呼ばれていました。

ハプスブルグ家の人々や英国ビクトリア女王でさえも跡取りの男の子を授かるために、ショムローのワインを飲んだそうです。この話が真実かどうか、今では定かではありませんが、統計的にショムロー近郊では他のハンガリーの地域よりも25％男児の出生率が高いということが、不思議な力を証明していると言えるのではないでしょうか。

■ 品種の特徴

ユファルクは気難しいブドウ品種です。
優れた造り手からは、生き生きしたレモンや熟したピーチ、ルバーブの味わいのあるクリーミーなワインができますが、一歩間違うと酸っぱく尖った酸味が目立つ、味わいのないワインになってしまいます。
果皮が薄く、カビ菌や霜に弱いため、日光をたっぷり浴びないと完熟にいたりません。
そのため暖かく風通しのよい、日当たりのよい場所で育てないと、強烈な酸味を持った味わいの薄いワインになってしまいます。
また収量を落とさないと、エレガントでバランスのとれた香り豊かなワインにはなりません。
ユファルクは栽培の難しいブドウの一つです。そのためあまり好んでは栽培されなくなったのかもしれません。
近年になって、ショムロー周辺でユファルクを栽培する農家が増えてはいるものの、栽培面積は150㌶以下で、収穫量はまだまだ少ないです。

■ ユファルクのワイン
ユファルクの燃え立つような特徴と高い酸度から、ユファルクから造られるワインは男性的なワインと呼ばれています。
ユファルクは土壌を反映しやすい品種で火山性土壌、ショムローの玄武岩を含む土壌との相性がとてもよいようです。石灰質土壌で育ったユファルクからは軽やかで香り高いワインが生まれます。
通常は辛口に仕上げられることが多いですが、造り手によっては酸とのバランスをとるため、数グラム糖度を残すことがあります。

【特徴】

➀ 長期熟成のポテンシャルがある豊富な酸
➁ 複雑で豊かなアロマ
➂ 火山性土壌と高相性、土壌のミネラルを忠実に反映

ユファルクを使ったワイン

トルナイ・プレミアム・ユファルク2019

【原産地呼称】PDOナジ・ショムロー
【ぶどう品種】ユファルク100％
【味わい】白桃やレモンのフレッシュな果実とアーモンドの香ばしさ、木樽からくるスモーキーな香りを感じます。フルーティーさと塩味、樽のウッディな味わいが複雑な味わいを生み出しています。華やかな香りと品種の特性からくる酸味と塩味のコンビネーションは、驚きの新しい味の発見となるでしょう。熟成のポテンシャルのある白ワインです。

通常価格   ￥3,190（税込）

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